笠井遥 Haruka Kasai 「東風」
笠井遥 Haruka Kasai 「東風」 created in 2020, bought from Nii fine arts in Oct 2020
笠井遥さんの作品です。
https://haruka-kanata.jimdo.com/
「東風」と描いて「コチ」と読むそうです。
展覧会のStatementをそのまま記載しますが、「無常観や死生観を意識しながら、「繋いでいくもの達」をテーマに日本画の画材をベースにして混合技法を用いています」との事です。
作家さんのお庭のクレマチスの花と、季節や命の移ろいの象徴としてタンポポの綿毛を描かれているそうです。
素材は、「布、兎膠、ボローニャ石膏、炭、顔料、パネル」ということで、石膏を薄く延ばした白い下地の上に着色し、彫刻刀の削りを入れて作品を制作されているそうで、削った部分は白い下地が見えているようです。
壁画に生命を刻み込むように描いているような感覚もあるとの事。
ボヤッと夜に浮かび上がる様な優しく幻想的な色彩表現と、鋭く細かく削った白地のコントラストが素晴らしいなと。
大学では材料学を専攻されていたようで、独特の技法でとても完成度の高い作品を制作されていて驚きました。
statementの最後に、「「私」で自己完結するのではなく、「私達」が求めている「何か」は、いったい何なのか、芸術を以て、追及していきたいです」という文章があったのですが、「私達」が同時代を指すのか、ある程度時間を跨いだ考えなのかはわかりませんが、現代アートの役割について私もたまに考えます。
人それぞれなんでしょうが、日常の固定概念を揺さぶる衝撃であったり、長い意味では教育や教養であったり、癒しであったり、文化財産であったり、人によって色々あるんだと思います。
そういった中で世界で確固たる地位を築いている純粋な日本発祥のコンテンポラリーアートというと、村上さん、奈良さん的な物を想像しがちですが、伝統的な日本美術の観点から、古美術ではなく、現代で受け入れられる文化となるような芸術表現を探すのは素敵な試みだと思います。頑張って欲しいですね。
富山で制作をされているそうですが、樂翠(らくすい)亭美術館がお勧めだそうです。いつか発電所美術館も行きたいですね。
ちょっと前、金沢21世紀美術館に寄った帰りに、富山市ガラス美術館や富山県立美術館にも足を運んだのですが、とても良かったです。
北陸いいですねー。
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