奥谷葵 Aoi Okutani 「舌切り雀」「かちかち山」「ツゲ」「British Butterflies 2,3,4」
奥谷葵 Aoi Okutani 「舌切り雀」 created in 2020, bought from JINEN gallery in Oct 2020
奥谷葵 Aoi Okutani 「かちかち山」 created in 2020, bought from JINEN gallery in Oct 2020
初めて作品を拝見した時、フォトペインティングなのかなと思ったのですが、古びたセロハンテープや写真の台紙に見える所も含めて全部油彩のペインティングとの事です。写実表現の技術が凄いです。
実際に作品を前にしてマジマジみると、細部にまで配慮が行き届いていて、感心してしまいます。
展覧会のタイトルは「日本昔話」という事ですが、作品は、古びた質感を出しており、特別な技術を駆使されています。
古いことは良い事でしょうか、悪い事でしょうか?
新しい事で用途としての価値を見出されるものは時間の経過による減価に怯えるのかもしれませんが、時に選別されても存在している古いものは意外に強いのかもしれません。
葛飾北斎も舌切り雀を題材に作品を描いているようで、200年前の大家と同じモチーフを高い技術力を持つ奥谷さんが現代で描いていると考えると、感慨深いです。
奥谷葵 Aoi Okutani 「ツゲ」 created in 2021, bought from JINEN gallery in Sep 2021
その1年後に、再度、奥谷さんの作品を購入しています。
展覧会のタイトルは「姉と妹」だったと記憶していますが、確かにそれを思わせる作品もありつつ、カラスが描かれた作品には花言葉が添えられていました。
「ツゲ」の花言葉は、堅固、堅忍、禁欲主義、淡白、冷静
実家の生垣にツゲが生えていたのを思い出しました。花が咲いていた覚えは無いのですが、花言葉があるんですね。
カラスは古代の欧州では賢さの象徴だったり、軍神とされていた事もあるようで、日本でも八咫烏の神話はありますが、凛々しく描かれていますね。
奥谷葵 Aoi Okutani 「British Butterflies 2,3,4」 created in 2023, bought from JINEN gallery in Nov 2023
2023年の暮れにはシガレットカードをモチーフにした作品を購入しています。シガレットカードとは聞いたことが無かったのですが、1875年から1940年代にかけて煙草メーカーが宣伝のために発行していたトレーディングカードだそうです。
奥谷さんの展示を複数年拝見して、なぜこういったモチーフを選んでいるのか不思議なのですが、今回は古びたペインティングの模写になるのでしょうか。
作品に応じて様々な絵画技術を深く探求されていると思うのですが、毎回作品を拝見していて感服します。
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