大西康明 Yasuaki Onishi 「体積の内側」


大西康明 Yasuaki Onishi 「体積の内側」 created in 2015, bought from Gallery out of Place in Aug 2015




彫刻家の大西康明さんの作品です。

http://onys.net/

海外でのご活躍が目立つ作家さんで、しかも美術館等のパブリックスペースでの展示が多いそうなので、東京のギャラリーで作品を拝見できて幸運でした。

「体積の裏側」という大きなインスタレーションの作品を展示されていましたが、同時に展示されていた「体積の内側」という小さな作品を購入しました。

塩田千春さんや、栗林隆さん等、大きなインスタレーションをされる作家さんも、ギャラリー等でたまに小さな作品を発表されることがあるようですが、エッセンスが凝縮されたよう小さな作品にも、独特の存在感があります。

一見、インスタレーションをされている作家さんなのかなとも思うのですが、以下のインタビューにもあるように、彫刻の意識で作品を作られているようです。

https://www.cinra.net/interview/201901-5rooms

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僕は自分の作品を「彫刻」だと考えています。服部浩之さん(インディペンデントキュレーター)に「Casting Invisible」、つまり空間の中から見えない要素を抽出する作品であると書いてもらったことがあるのですが、空間全体を何か塊のように捉え、そこに行為や現象を伴いながら、形態を明らかにする彫刻であると考えているんです。

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空間彫刻といったイメージなのでしょうか。

一般的に彫刻というと質量や存在感を意識させる物体を事前に制作し、展示スペースに置くものだと思います。配置の仕方で見え方も大きく変わりますが、物体が主役だとは思います。

インタビューに、学生時代に塑像の型取りで残された枠の部分に興味があったと記載されていますが、「枠」と「空」の部分。スペースを仕切る事と残された余白の空間を意識させるアプローチなのかもしれません。

大西さんの作品は、スケールの大きさによる体感的なインパクトがあり、吹けば飛ぶような軽い素材による繊細さや可変性の触感が鑑賞者にダイレクトに伝わってくる強みを持っていると思います。

これからも国内外問わず、魅力的な作品を制作されると期待しています。

購入させていただいたギャラリー アウト オブ プレイスは魅力的な作家さんが多く集まっていて見応えがあります。

スタッフの鈴木さんにはいつも丁寧に説明して頂いて感謝しています。

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