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笠井遥 Haruka Kasai 「星継ぎ 月時雨」

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笠井遥  Haruka Kasai 「星継ぎ 月時雨」 created in 2024, bought from  Shinseido Gallery   in June 2024   笠井遥さんの作品です。 https://haruka-kanata.jimdo.com/ 以前に購入させていただいた作品と同様に、削りを入れる事で生まれる不思議な遠近感や物質感、存在感や生命感は今回も素晴らしいと思いました。 「星継ぎ 月時雨」という題名の作品なのですが、星継ぎは金継ぎから発想を得られたそうです。月時雨は月明かりの中を雨足を白くしながら通り過ぎる時雨という意味で、冬の季語だそうです。「山茶花が咲く頃は春めいてくる頃で、暖かくなるにつれ、雪が雨に変わります。月明かりの中、さっと時雨が通り過ぎて、月はなお美しく輝きます。人々が春を待つ様子を山茶花に重ねて制作した作品です。」との事です。 表参道の新生堂Galleryで開催されていたのですが、展覧会のタイトルは「水の月」という事で、以下のご説明がされていました。 「〔水の月〕とは、目には見えるが、手に取ることができないものをたとえる言葉である。心にわきおこる手に取ることができない情感を、植物の形や色を通して表現し、心に寄り添える作品を届けたいと願っている。」 との事です。 今回の展覧会の作品は青い背景に植物と月が描かれている作品が多く、制作にあたっては、「様々な植物を水に浮かべ、風の赴くままに揺れ動いているその様を描き、それは、人の心の動きのように感じた」そうです。 作品を購入する時には、作家さんの創作の意図や視点に共感する事も大事だと思うのですが、パソコンやスマホから離れて、生の命に触れながら制作される作品は、人間がAIやゲノム解析等でますます情報化されてしまいそうな流れの中で、安心感を与えてくれる気がします。 夜、植物を水に浮かべ、月が写り込む情景は想像すると素敵ですね。 慌ただしい生活の中でも、そんな時間が少しでもあるといいなと思います。